審判委員会より当協会の審判員である佐田 明美氏を「高松宮杯 第1回全日本社会人チャンピオンシップ」に派遣を行いましたので、報告致します。
大会名
高松宮杯 第1回全日本社会人チャンピオンシップ
開催地
群馬県高崎市 高崎アリーナ
開催期日
平成31年2月8日(金)~2月11日(月)
日程
2月8日 研修(講義・実技)
2月9,10日 リーグ戦(審判および審判主任)
2月11日 試合観戦
講義
THEME1/3vs2
- 3ptsアテンプトに対しては、ピーク・フラッシュ(2ptsか3ptsかを示す)。
- ピークして見たもの(見えたもの)は情報としてはっきりと示す習慣をつける。
- パートナー(プライマリーのレフリー)が必ず確認できているとは限らない。
- bリーグはIRSで確認できる。
THEME2/SCREEN
- スクリーンには表と裏がある。
- オンボールスクリーン Check in(スクリーンの受け手)
Check out(スクリーンを送り出す側) - どちらかのレフリーが表を見て、もう一方のレフリーが裏を見る。
- 映像資料 オンボールスクリーン
スクリーン リスクリーン
スクリーンからのサドンショット - 見た(判定し対して)情報ははっきりと示す。
- パートナーは必ずしも自分が持っている情報を共有しているとは限らない。
- プライマリー、セカンダリーやプレイの表裏(アングル)を理解することで正しい判定につながる。
- 自分が見えていないものは、どちらかのパートナーが見えているということを理解しておく。
THEME3/COMMUNICATION
- 同じプレイを判定していても、中身が違うことも考えられる。(ファウルのプレイヤーが違う)
→コミュニケーションをとるときは必ず言葉にする。 - コミュニケーションには2つある。
→自分が持っている正しい情報はパートナーに伝え、その場で共有【アシスト】
パートナーから確認、意見が欲しいときは自分からパートナーに歩み寄る【セカンドオピニオン】 - コミュニケーションの大事なポイント
→「見たもの」「判定したもの」を「正直に」「嘘や言い訳をしない」
「だろう」や「何となく」などの曖昧や憶測で言わない。 - 当たり前のことを当たり前にやっていく。
実技
3人組をつくり、大学生をモデルとした3PO研修
映像研修での4つのシチュエーション
- 3vs2
- スクリーンからダイブ
- スクリーン・リスクリーン
- オンボールスクリーンからサドンショット
担当ゲーム
2月9日 Eコート第2試合(女子予選リーグ)
ミツウロコ(関東・東海1位)vs OTCくきや(西日本6位)
相手審判
CC:佐田,U1:本間さとみ(本部A級),U2:萩原篤志(群馬県B級)
ミーティング内容(IR:井元誠(熊本県A))
- ゲーム全般ではファウルに関しては「誰か」が鳴らしていた。
- その「誰か」が本来のプライマリーではない。1試合を通してプライマリーのレフリーが判定できていない場面が多かった。
- 最後までプレイにコネクトして判定すべき。
- オフボール時、自分の目の前以外のプレイが気になっているような体の向きになっている。そのため、自分のプライマリーにボールが入ってきたときに判定が遅れることがある。
担当ゲーム
2月10日 Dコート第3試合(女子予選リーグ)
鶴屋百貨店(西日本5位)vs 紀陽銀行ハートビーツ(西日本1位)
相手審判
CC:小島慶子(本部S級),U1:佐田,U2:古谷香(群馬県B級)
ミーティング内容(IR:生島匡(兵庫県A級))
- ポイントとなるペイント内でのマッチアップをゲーム序盤にもっと整理すべきであった。
- そのためにはリードとセンターが協力して目を当てたほうが良い。
- メカには違和感がなく、ローテーションもスムーズであった。
- タイマーの管理(タイムアウト請求時に時間が流れた)、ショットクロック管理(24秒計がリセットされたがバイオレーションが成立)はそれぞれのレフリーが把握しており適切な処置であった。
担当ゲーム
2月10日 Dコート第4試合(女子予選リーグ)
AFBB(関東・東海7位)vs 三井住友銀行(関東・東海3位)
相手審判
CC:村田尚美(本部S級),U1:上杉侑里子(東京都A級),U2:佐藤弘之(群馬県B級)→佐田(後半)
ミーティング内容(IR:中江洋美(本部S級))
- 途中でレフリー交代のハプニングがあったが、大事に至らず協力してゲームを終えられたことがまず1番。
- POCに弱い。外から見ているとプッシングがブロッキングであったり、ブロッキングがハッキングでレポートされている。ファウルであることは間違いないが、しっかりとレフリーディフェンスをしてどこが接触しているのか、何がイリーガルなのかを見極める。
今大会に参加しての感想など
今年度、実業団、クラブ、教員、家庭婦人が統一され、社会人連盟が発足しました。今大会は地域リーグを勝ち抜いたチームによるアマチュアバスケットボールNo.1を決定する全日本社会人バスケットボールチャンピオンシップの第1回大会として開催されました。男子ではB3を目指すチームや全国クラブでの上位チーム、女子では実業団で全国でしのぎを削ったチームの集まりであり、非常にハイレベルなものでした。本部からは社会人連盟に所属するトップリーグを担当しているS級レフリーも派遣されており、実業団のない本県では味わうことのできないシビアさをたくさん感じることができました。また、急遽ピンチヒッターとして拮抗した試合を後半から担当するなど、審判活動人生で初めての経験もありました。
ハイレベルなゲーム、全国で活躍する上級レフリーから得た情報を共有し、県内での審判活動に活かしていきたいと考えています。
最後になりましたが、今大会に派遣していただきました大分県バスケットボール協会の皆様、御手洗審判長はじめ審判委員会の皆様、本当にありがとうございました。また、運営にご尽力いただいた群馬県バスケットボール協会の皆様、そして社会人連盟審判長の久保様、副審判長の宇田津様、かかわっていただいた全ての方々に感謝し、報告といたします。 (報告者:佐田 明美)