審判委員会より当協会の審判員である樋口氏を「B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2019」に派遣を行いましたので、報告致します。
大会名
B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2019
開催地
東京都立川市 アリーナ立川立飛
開催期日
平成31年3月25日(月)~27日(水)
日程
(前日~会場入りまで)
- 3/24(日)
(九州大会後、野田君と一緒に福岡空港へ)
17:25 福岡発
21:00 立川市内のホテルで3人の顔合わせと翌日のスケジュールを確認 - 3/25(月)
9:00 多摩モノレール 立川北駅 待ち合わせ
9:15 アリーナ立川立飛 着
9:30 アリーナ立川立飛 開場
9:40 PGC(20分程度)→ ウォーミングアップ
10:15 コートイン
10:30 試合開始
担当ゲーム
東京Z U15 VS ELTHAM WILDCATS(オーストラリア チャンピオン)
相手審判
CC:樋口 U1:野田宏樹(熊本県) U2:樋口未奈(広島県)
PGC
今回は、あまり時間を要することができなかったので、3点に絞りPGCの準備を行い確認しました。
- Screen Play
- 事前にLineグループ内で、ELTHAM WILDCATSをYoutubeで確認するようにしていました。その中で、Topの位置からPick and Rollを行い、攻撃が展開されていたため、ScreenPlayについて、StrongSideはTとLが確認し、WeakSideはCということを確認しました。
- 確認にあたり、前日まで参加をしていた高校九州大会の映像を用いました。
- 3VS2
- 確認したものは、PrimaryRefに提供しましょう(Peak,Flash)。SuddenShot,TurnOver→Shotなどの時が行われる場合が、ゲーム中多々あると思ってやっていきましょう。
- 意見が割れた場合、デッドの時に時間をかけずに速やかに行うものとし、TOへの伝達・両チームのキャプテンへ伝える役割を誰が行うか確認しました。
- EOP,EOG
- 表示物は原則OppositeRef,busyの場合は、Cがfollow。
- 5s以下は、C。
- MagicTimeの役割について確認。
Timer 27s ,shotclock 24sの状況で、チームAがOFとする。このとき、時計を管理していたのは、OppositeRefであったTという状況。チームAのOFがshotclockギリギリでshotを放ち、リングにあたる。Ref側はRotationはない。チームAがOF・ReboundをとってTimerがなる。このときの時間管理をしているのは、C。よってCが笛を鳴らす。
試合後のミーティング IR:加藤誉樹 氏
約1.5時間ほど、3つのケースをもとに、反省とdiscussionをゲームを担当Crewだけでなく、他数名のRefの方々を交えて行った。
【ケース1】
判定:R#35 TF(L:樋口) このゲームの中で一番大きなContact だった。大きいContact となったが、Contact の度合いは軽く、Fake で倒れたと判断した。 わざとというのは、個人的に伏線があり、R#35 は2Q にもOF Foulに見せて倒れるPlay があった(その時には、Blocking)。 そのケースが頭にあり、同じような処理をすべきかどうか悩んだが、おそらくこのゲームで一番大きなimpact になることを考慮し、TF が望ましいと判断した。
【反省】
まずは、それぞれのポジションからみた判定。C はOF Foul、T はどちらかわからなかったということ。最後に、試合が終わって冷静になった自分で映像をみて、どうかと問われ、OF Foul の考えも出てきた上で、やはりBlocking と回答。
加藤氏からは、現場での判定を支持したいことも踏まえていただいた上で、「B リーグでもこのようなContact は多いが、今回のケースのように一発でTF(※DirectTF という)というのは稀である。」とのこと。理由は、「すべてのGame が映像がとられている中で、観客だけでなく、映像を通して試合をみている人が、100%Def がわざと倒れたという事実がない限り、判定を支持してくれる人が少ないからである。」とのことであった。
途中、上田篤氏もこのケースについて、議論に加わっていただいた。「このようなケースに対し、DirectTF をCall するためには段階がある。Blocking→Fake→DirectTF という順番である。このケースは、このゲームの中でも一番大きなimpact であって、nocall→Fake signal→ball dead→各チームへの説明がよいかというと、それはおそらく適切でなく、笛を鳴らすべきケースだと思う。しかし、B リーグでこのような処置があり、チームから問い合わせがあった場合、映像とガイドラインに基づき回答を準備する我々側の立場からすると、わざと倒れるという行為を説明する材料が乏しいように思う。このことを考慮すると、現場のRef でも判定がOF or DF に分かれるケースでもあるため、冷静にガイドラインにもとづき、Bigimpact=Blocking と処理をする方が、説明がつきやすい。」とのことであった。
【ケース2:UF?】
【反省】
C で追従していた私は、走りながらR のプレイヤーがブロックショットを狙っていると思いましたが、Foul 及びUF の可能性も頭に入れていました(フェーズ①,②)。ブロックショットに飛んだ時も、R のプレイヤー手の振りかぶりも大きなテイクバックもないことも確認し(フェーズ③、④)、contact の事実も確認したことから、foul call をした(フェーズ⑤)。L に判定を委ね、L はNF であったので、ボールプレイだったという判定ということを感じ、それを尊重したいと思った。私はCrewwork として、Foul をされたプレイヤーが何かをしないように間に入り、プレイヤーの様子と何かあれば処置をする心の準備をしていたが、幸い何もなかったのでよかったという反省を述べた。T のRef もUF の可能性があることを感じていた。
加藤氏もUF のPotential があると感じたplay で、仮にL がUF でも、criteria を確認し、C2 であればOK かなといった反省でした。このケースにおいて、いくつか質問をしました。
- 私はCrew で集まった方がよかったのか?
→言葉を選んで集まるべき。なぜならば、ボールプレイであるためNF でも問題ない。(加藤氏ならば)C の方から見たらUF の可能性も感じたけど、NF の処置でOK?といった言い方をするかなとのこと。今回のケースでは、集まるという行為に、upgradeのポテンシャルを周囲に与えることにもなるため、時間をかけない確認にすべきだと感じた。 - 私自身は、Foul 後上記のような行動をとったが、L とT で①の確認をとることは、問題ない?
→全く問題ないと考える。
【ケース3:メカニクス】
【反省】
レフリーディフェンスの考え方。L のRotation のタイミングについては、ボールがmidline を超えたからSwitchside するのではなく、フェーズ②の段階で、L のPrimary にScreenPlay が起きている。よって、結果的にフェーズ③でL とC で笛がなることになったが、誰がどこを見て、SwitchSide するのもどこがActive なのか、注目のマッチアップなのか、フロアバランスなど、様々なことを冷静に考えて、Switchside 等を選択していきましょうとのこと。
Switchside について、自分自身の課題を踏まえて、加藤氏がどのような工夫をされているか聞いた。
内容は「Switchside をするとき、Ball に意識が集中してしまうことがあるが、どのようにして払しょくしているか」との問いに「Closedownの位置に来て、必ず深呼吸を1 回して、Swithside をするのかしないのか、判断する材料をさがせる冷静な自分を作る」とのこと。
今大会に参加しての感想など
初めて、東京という場所でレフリーをしましたが、それがCC で、大会初日の第1試合で・・・正直なところ、心の準備をどのように作り上げていくのか、自分自身の答えを見いだせず、望んでしまったかなぁと冷静になって振り返っています。そのような中、九州ブロックの野田君と同じCrew になったのは、本当に心強く、試合中だけでなく、大会に入る前から頻繁に連絡をとらせてもらい、本当に感謝をしています。今大会ではCC ということもあり、前日の顔合わせから当日の体育館へいくスケジュールを組ませていただく経験もさせていただきましたが、毎週毎週このようなことをしているトップリーグの担当Ref だけでなく、先輩A 級Ref はすごいと思いましたし、今後自分にとっても当たり前なことにする必要性を感じました。
ゲーム終了後にIR に入っていただいた加藤氏と交わした会話は、普段からの疑問や課題に対するTry の仕方などを会話することができ、個人的に貴重な機会を頂いたと感じております。上の3つのケースに以外にも、個人的に課題であるPresentation の弱さについて相談し、加藤氏が試合映像から自分をどのように分析をし、課題克服に向けたTry をしているのか話すことができました。彼は自分の映像を振り返るときに、ファウルコールした笛の長さ→手の角度→TO へ振り替える方向、右回りなのか、左回りなのか→何歩あるいたか→ナンバーをサインする手の角度など、行動を分解し一つ一つを言葉にしていることも教えてもらいました。映像をとって振り返る際の参考にしたいと思っています。
また、ケース①~③を取り上げましたが、反省と議論に1.5 時間もかかりました。文面にできないほど、仮にこうなったらどうする?とか・・・ここまで掘り下げて議論するのかと驚き、普段の取り組みの甘さを感じました。
さらに、トップリーグなどのゲームでは、Ref に対するjudge について、日本バスケットボール協会に問い合わせなどがあるようで、その対応窓口が宇田川マネージャーであったり、上田氏であったりということも教えていただき、例えば上記【ケース①】で取り上げたような事象のようなことで、各チームからの問い合わせなどに対応をされていることを聞くと、ガイドラインに込められた思いや大切さを改めて感じましたし、そのような方々のご尽力には感謝をしなければいけないと思いました。
最後に、今回の派遣では、日程や体力的には大変タイトなスケジュールでしたが、大変有意義な時間を過ごすことができました。この機会を今後の審判活動につなげていけるように日頃より研鑽し、九州ならびに県内の仲間に還元していきたいと思います。稚拙な報告書ではございますが、本報告書を通じまして、日本バスケットボール協会の皆様方をはじめとする九州協会、大分県協会など本大会に関わる全ての人にお礼を申し上げ、結びとさせていただきます。ありがとうございました。(報告者:樋口)