審判派遣報告について

審判委員会より当協会の審判員である福田 彬宏氏を「第51回九州中学校バスケットボール競技大会」に派遣を行いましたので、報告致します。

大会名

第51回九州中学校バスケットボール競技大会

開催地

鹿児島県薩摩川内市
サンアリーナせんだい

開催期日

令和3年8月5日(木)~8月6日(金)

担当ゲーム(男子1回戦)

託麻(熊本県2位) vs 城南(佐賀県1位)

相手審判

CC:上山 正智(鹿児島県) U1:源川 純久(鹿児島県) U2:福田 彬宏

Pre-Game Conference

  • 予選時の各々の課題の共有
  • 本ゲームにおけるクルー間のメカニクス(エッジの3P etc)の約束事項の確認
  • メディカルタイムアウト等の確認

Post-Game Conference

コンタクトに対してマージナルにしたものが果たしてよかったのか

特にショットの部分の身体の当て方は笛が少ない分もっと取り上げてもよかったのではないか。

UFをコールした際のクライテリアについて

立て続けにコンタクトが起こり,最初のコンタクトでファウルをコールしておけばUFにならなかった。また,コールに対してC4で判断したが,C2の方が説明としてすっきりするのではないか。

Lローテーションについて

トップでドリブルウィーブが多く行われてたこともあり,ローテーションのタイミングが悪いことがあった。積極的にローテーションをトライし,その中でもっとバックペダルを使う方がいい。スイッチサイドが必要かどうかの見極めをしていく。

担当ゲーム(女子準決勝)

菊陵(福岡県2位) vs コザ(沖縄県1位)

相手審判

CC:山中 萌衣(鹿児島県) U1:千々岩 知佳(鹿児島県) U2:福田 彬宏

Pre-Game Conference

  • メカニクス(カバレージ)とIOTについて
  • LEAD,TRAIL,CENTERの各ポジショニングについて
  • 前日の試合からの両チームの戦術情報…菊陵の前からのプレッシャーDEFに対してはCが残る

Post-Game Conference

24秒バイオレーションとファウルについて

ショットに対して,TOが誤って24秒をリセットしてしまい,ORに対してのファウルが起こった。Tはショットクロックがリセットされたいたことは確認したが,この時点でリングに当たったかどうかの確証なし,C(福田)がプライマリでファウルをコールという流れで,Tはオーバータイムになっていたのではないかと気になっていたということだった。映像で確認するとTOが誤ってリセットしていることが確認でき,24秒はぎりぎりオーバータイムになるかならないかだったこともあり,ここはお互いが寄って情報を共有していた方がよかった。

ショットのLとTの連携について

ドライブ~キックアウトで3Pが多くあった中で,エッジの3Pをリードが中途半端に見たためコンタクトがTもLも確認できないプレーがあった。Lはパラレルで見るとともにポジションを3PラインまでいくことでTに安心感を与える,逆に行けそうにもない部分を中途半端に追うとTがどこに目を当てればよいかわからなくなるので,無理なら無理で開き直ってリバウンドに視野を持っていき,その姿勢をTに見せることでTに3Pを見てもらった方がクルーワークとしてうまくいく。

マンツーマンペナルティの処置について

マンツーマンペナルティまで行くケースは滅多になく,クルーの誰も経験していなかった。MCが主導ではあるが,処置としてはCCを中心にRefが行わなければならないので,事前に手順を確認しておくとともに起こる可能性があるという心構えが必要であった。(フリースロー+スローイン)

今大会に参加しての感想など

 全中に繋がる大事な大会で,特に今大会では2日目に割り当てをいただくことができ,勝てば全中・負ければ引退という部分の責任感をもって試合に臨みました。本大会派遣に際しては,自身の直近の課題である1試合を通してCCメンタリティを強く持ち続けることとTのポジションアジャストの2点は積極的にチャレンジして,何か今後につながる形として残そうと考えていました。1点目のCCメンタリティに関しては,最近のゲーム後のカンファレンスで“(クルーとして)こうしとけばよかった”,“こう処置すべきだった”と上がる内容の大半は自分の決断力や主張する力の弱さが原因であると実感していたので,今回はUFがコールされた際にすぐに寄って情報提供とクライテリアを確認したり,ゲーム時にクロック管理,TFの管理を意識して,必要に応じて自分から声掛けをしていった点はよかったと思います。今まで躊躇っていた部分は幾分解消されましたが,一方で,つい確認を忘れたり情報が飛んでしますことがあったので,目の前にある状況を一つ一つ丁寧に整理していくマインドセットを身に着けていかなければならないと感じました。2点目のTのポジションアジャストですが,Lとの協力という観点でLが見えない位置を見に行くようにしましたが,特にステーショナリーという部分ができておらず,そこまで行く必要がないのではとアドバイスをいただきました。いただいたアドバイスを頭に入れて試合の映像を見てみると確かに不要な動きが多く,バタバタと慌てているようにも捉えられるなと感じましたので,また経験を重ね改善に向け努力をしていかなければなりません。
 今回も上級の方と組ませていただき,ゲームのみならずカンファレンスなど,随所に自分に足りないものを痛感させられました。またカンファレンスとは別に多くの方にアドバイスをいただき,今後の自分に取り入れていと思うこともありました。今回の大会を通じて,プレゼンの力強さと多少プライマリを超えてでも積極的に笛にしていくことが大事だということを痛感しました。プレゼンが弱いから自信がなさそうに見えるというアドバイスをいただいたので,事象を観ている人に適切に伝えるためにもデリバリースキルを工夫して活用し,説得力のある力強いプレゼンができるように心がけていきたいと思います。また,プライマリももちろん重要ですが,コールしていくことでゲーム作りに積極的に関わることも重要だと感じました。こちらも消極的に見えるというアドバイスをいただいたので,プライマリとのバランスを考え,自分の判定力を上げていきたいと思います。上記の点に加え,他県のレフリーの試合を観戦させていただき,まだまだ自分には足りない部分が多くこれからも研鑽を積まなければならないと感じました。2日間という短い時間でしたが,大変貴重な経験を積むことができましたので,この経験を還元するとともにさらなるレベルアップを図りたいです。
 最後になりますが,今大会の開催に際して,コロナ禍での開催のため様々な制約がある中で大分県よりU-18所属である私を推薦していただいたこと,また感染症対策におきましても,競技はもちろん,審判団の輸送や会場の密の防止等,大会の準備・運営において様々な面で配慮をいただいたおかげでゲームに専念することができました。この場をお借りして,御手洗審判長をはじめとする大分県審判委員会ならびに開催県である鹿児島県バスケットボール協会の皆様に心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。(報告者:福田 彬宏)