審判派遣報告について

審判委員会より当協会の審判員である日野 祐介氏を「第52回九州中学校バスケットボール競技大会」に派遣を行いましたので、報告致します。

大会名

第52回九州中学校バスケットボール競技大会

開催地

宮崎市総合体育館 早水公園体育文化センター

開催期日

令和4年 8月4日(木)~8月5日(金)

担当ゲーム1(女子1回戦)

菊陵(福岡) vs 松元(鹿児島)

相手審判

CC:日野祐介 U1:倉掛真衣(宮崎B級) U2:甲斐早央里(宮崎B級)

Pre-Game Conference

  • シリンダーの概念、明らかなトラベリング。(映像確認)
  • アクトオブシュート。(映像確認)
  • タイマーの管理。EOQ,EOG。
  • プライマリーの確認。
  • UF C4クライテリアの確認。
  • テンポセット。誰がファーストコールとなるか分からないのでCCMで強くコールする。

Post-Game Conference(IR:砂川卓嗣 沖縄S級)

  • 初対面で初めて組むクルーであったが、アイコンタクト、コミュニケーションをとることができた。
  • 1Qにもっとメッセージを残せなかったか。テンポセットでもっと手の使いかたを整理したほうよかった。
  • CCMを持って取り組めていたが、試合の終わらせ方を考えすぎてオーバーレフリーで危険なコールをしている時があった。
  • レフリーマスク、ホイッスルカバーの着用で笛が聞こえづらい時があり、クルーにも5秒バイオレーションが伝わっていなかった時があった。声を使ったデリバリースキルなどを活用する。

担当ゲーム2(女子準々決勝)

コザ(沖縄) vs 祇園(長崎)

相手審判

CC:野田明男(福岡S級) U1:日野祐介 U2:倉掛真衣(宮崎B級)

Pre-Game Conference

  • メカニクスの確認。Cサイドでのプレスに対するローテーション。特にコフィンコーナーでのトラップでTが慌ててローテーションをしない。CはLを信じて早めに上がる。
  • Lでの歩くスピードの工夫を。
  • 早めにアクティブなマッチアップを捉えに行く。
  • ポジションアジャスト。
  • UF C4クライテリアの確認。
  • ローテーション時はどうしてもメカが弱くなるため、バックペダルを有効に使う。

Post-Game Conference(IR:児玉晃太 宮崎B級)

  • UFを吹いたときに、クルーが寄って情報を共有できた。そのあと、ファールした選手が何番であるかを見失わないようにしたい。
  • メカニクスに大きな崩れはなかった。プレスに対しても難しいケースはあまりなかった。
  • クルーで協力できていた。
  • ベンチ前のケガしそうなケースで、セカンドのレフリーに厳しい判定をさせてしまった場面があった。
  • 1試合を通して、声をとても使われていて無駄なファールなどがなくなりスムースなゲーム進行が出来ていた。
  • ショットクロックオーバータイムギリギリでシュートがエアボールし攻守が変わった場面で、一人はそのまま続けることを促し、一人はプレーを止めるということがあったがプライマリーのレフリーに判定を任せたほうがよかった。

担当ゲーム3(男子準決勝)

小ヶ倉(長崎) vs 中村三陽(福岡)

相手審判

CC:仲間芳幸(沖縄A級) U1:渡邉雅貴(熊本B級) U2:日野祐介

Pre-Game Conference

  • コフィンコーナー付近のトラップの対応。メカニクスの確認。
  • ペイントアタックに対するポジションアジャストを心がける。
  • チェックイン・チェックアウト、ミッドレーン・カバレージの確認。
  • アクティブマッチアップの把握、ゲームフローの把握。
  • クルーワーク、情報の共有。
  • ケガにつながるような接触はファールとして取り上げる。

Post-Game Conference(IR:御手洗亮 大分S級)

  • 誰が取り上げるべきファウルだったのか。プライマリーのレフリーがTOへレポートするのがベスト。
  • コーナースリーのファールをLがテイクできたのはよかった。
  • 1Qのファールバランスが悪い状況で(4-0)、フッキングのOFはグッドコールだった。
  • EOQのシュートキャンセルはグッド。プレゼンテーションをしっかりするともっと良い。少しコートに入り笛は強くキャンセルシグナルは大きく一回で十分。
  • ボールコントロールが変わりそうな瞬間、ボール保持がない状況でファールが起こり,DFとして処理されボーナスシチュエーションとなった。クルーが情報を持っていれば、確認作業を行いOFとしたほうがよかった。クルーとしてより安心感が出る。
  • 逆サイドのポストにアクティブなマッチアップがない限りスイッチサイド時はスキャンザペイントを。
  • ヘルプを求めた後、TOへレポートする際は再度笛を鳴らしたほうがよい。

今大会に参加しての感想など

 初めての県外派遣に加えて、九州大会という環境に冷静なジャッジや落ち着いたレポートができていない場面が多々ありました。また、試合後のカンファレンスでは宮崎県のスタッフのおかげですぐに映像を確認することができ、自分では気付かない動きの癖や所作を修正できる良い機会になりました。試合では女子の1回戦と準々決勝、男子の準決勝を担当させて頂きました。女子の1回戦ではクルーチーフという大役まで任せていただき、とても良い経験になりました。
 今回、ポジションアジャストという点を特にチャレンジして次につなげようと思い試合に臨みました。映像で動きを確認したところ、クロスステップやスペースをみに行こうとする動き自体はよかったのですが、ステーショナリーができておらずバタバタした印象を受けました。何を見たいのかを明確にすることで、2~3歩動いていたケースを1歩、もしくは半歩で、ポジションアジャストすることができるのではないかと考えます。ベーシックなポジションにただ立つのではなく、常にディフェンスをレフリングしているということを念頭に置き的確な位置で判定することにより、より説得力のあるコーリングにつながると思います。『見えた』ではなく、『意識して見る』のレベルにステップアップしていきたいです。
 次の課題としてはプレゼンテーションをもっと工夫していきたいです。声を使ったデリバリースキルや、笛の強弱、タイミング、スローインなのかショットなのかのジェスチャーなど相手レフリーにも両ベンチ、観客にも分かりやすく表現をすることを心がけていきたいです。
 他県のレフリーの試合を観戦させていただき、まだまだ自分には足りない部分が多く、アイコンタクトやコーチ、TOとのコミュニケーション、タイマー管理、コート状況、きめ細かい配慮などこれからも研鑽を積んで一つ一つ積み上げていけたらと思っております。
 今回の大会を通して各県の上級審判の方々にご指導頂き、そして色々な話ができたことは、これからの審判活動を行なっていく上で、とても貴重な経験ができました。私自身、この経験を活かし今後の審判活動に全力で取り組んでいく所存です。最後になりましたが、今大会に派遣していただきました大分県バスケットボール協会の皆様、御手洗審判長はじめ審判委員会の皆様、本当にありがとうございました。また、コロナ禍での開催のため様々な制約がある中で運営にご尽力いただいた宮崎県バスケットボール協会の皆様、そして、かかわっていただいた全ての方々に感謝し、報告といたします。