審判委員会より当協会の審判員である佐田 明美氏を「令和4年度第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会 WINTER CUP2022」に派遣を行いましたので、報告致します。
大会名
令和4年度第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会 WINTER CUP2022
開催地
東京体育館
開催期日
令和4年12月22日~12月24日
担当ゲーム1(1回戦)
山形中央高校 (山形県) vs 松江商業高校 (島根県)
相手審判
CC:佐田明美 U1:小松綾実氏(兵庫県A級) U2:上久保顕氏(東京都B級)
Pre-Game Conference
- ベーシックなメカニクス→ポジションアジャスト(「見えない」をなくす)
- Primaryの尊重
- エッジ際の3ポイント(FUL)とリバウンドの分担
- プレイコーリングガイドライン→ファウルの事実の確認
- ショットの見極め(FUL)
- トラベリング(明らかなものを)
- 処置ミスゼロ→EOQ,EOG
- クロック(タイマー・ショットクロック)、ファウルの確認(2 More・Next Bonus)
- フリースローの本数(コーリングレフリーが示してアイコンタクト)
- チーム情報の共有
Post-Game Conference : 伊藤恒氏(T級IR)
- 最後までどちらが勝つかわからない高校生らしいシビアなゲームだった。
- 3人で協力して進められていた。
- 試合を決める場面(4Q)でのコーチのタイムアウトの請求は間に合っていたか。
- 負けているチームのファウルコール。UFには当てはまらないか。セカンダリで見ていたクルーと情報共有し、NF、UFについて協議しした方が良かった。
- 前半取り上げていたトラベリングを、後半同じ基準で取り上げられていただろうか。
- ゲームクロックを戻す根拠を持っているか。
- IRSがない中でEOQでのショット。0になる前にボールが手の中にあったのか、なかったのか。非常に微妙な場面。映像で振り返って確認することも大事。
- スローインの際にパス出しを防ごうとしているDF側プレイヤーと腕がバウンダリーラインを超えた。レフリーしてプレイヤーとコーチに伝えることはできたが、観客には何が起こったか分からない。次に同じチームに同じDOGがあればTFになる。分かりやすく伝えるためにオフィシャルワーニングを入れることも一つの方法。
スローインの際、ボールがOFプレイヤーの手の中にある時に 、DFプレイヤーの腕が境界線を越えたのでDFのバイオレーションを宣した。
プレイヤーに口頭で注意を与えた。
コーチチームにも伝えた 。
→手順としては間違っていないが、多いな会場では観客には伝わらない 。ジェスチャーとしてオフィシャルワーニングを使ってもよかったとのアドバイスをもらった。
担当ゲーム2(2回戦)
札幌山の手高校(北海道) vs 済美高校(愛媛県)
相手審判
CC:佐田明美 U1:根反祥恵氏(茨城県A級) U2:佐藤麻衣子氏(千葉県A級)
Post-Game Conference : 伊藤恒氏(T級IR)
- リードからセンターサイドのOOBヘルプやOOBの訂正が多いと審判の信頼度が低くなる。プライマリのレフリーが責任を持ってコールする。
- ボールマンに関するファウルはあったが、オフボールでの判定はない。OFがボールを受ける前の手の使い方(空間を作るため)、DFがOFのFOMを妨げるような コンタクトはなかったかという部分での判定が必要だった。
- 2 MoreやNext Bonusのシグナルがクルー間で共有できていたか。ファウルの数を把握し、分かった上でレポートする。
- TOにレポートする際は最初から最後までしっかり立ち止まって。観客も見ている。レポートをきちんと行うのもレフリーの役目。
今大会に参加しての感想など
これまで自分の試合で経験したことや他の方が吹いている試合、Wリーグ、Bリーグを見て様々な状況での対応の仕方、引き出しを作り、準備して大会に臨みました。それをコートの上で実践していきますが、やはりまだ経験してみて初めて気がつくことが多々ある事を感じる2試合でした。審判は振り返りができ、次の試合に活かすことができますが、その試合に臨む選手やチームは負けたら大会が終わります。高校生の最後の大会の審判をさせていただいてことで、改めてそのシビアさを感じ、ますます研鑽を積まなければと思いました。
2回戦は女性3名でのクルーでした。全国に行くと当たり前に女性のみのクルーがあります。九州大会でも女性のみのクルーとなることは少ないです。試合を担当する審判に女性も男性も関係ないのですが、女性でも男性の試合を担当していたり、全国では活躍している方がたくさんいます。大分県では活動している方も他県に比べて多くないので、今後、仲間が増えていけばいいと感じました。
また、ウインターカップに参加させていただいて毎年感じるのは、東京都の高校生のTO、スタッツ、フロアワイパーの生徒がとても素晴らしいということです。毎年の大会だから当たり前にできるわけではなく、先輩から後輩に受け継がれ、練習されてきているものだと感じます。TO主任の指示がなくても自発的にコミュニケーションを取り合い、協力してTOの任務を遂行してくれ、スムーズに試合が運営できました。県内では、試合後に選手がTOをしてくれることが多いですが、そのようなときもTOと協力して試合を運営していくことを忘れないようにしたいと思います。
最後になりましたが、派遣していただいた大分県バスケットボール協会の方々、審判委員会の皆様に感謝し、報告とさせていただきます。