審判委員会より当協会の審判員である佐田 明美氏を「第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」に派遣を行いましたので、報告致します。
大会名
第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会
開催地
福岡県福岡市
- 福岡市総合体育館(照葉積水ハウスアリーナ)
- 福岡女子高校
- 修猷館高校
開催期日
平成 31年 3月 22日(金)~ 3月 24日(日)
日程
- 3月22日 移動
- 3月23日 審判会議、ABパート男女1,2回戦
- 3月24日 Aパート男女準決勝,決勝,シード決定戦,
Bパート男女準決勝,決勝
大会概要
九州各県の予選を勝ち抜いた男女各4チームが参加し、県予選の1,2位をAパート、3,4位をBパートと分けてトーナメント方式で実施。
初日はAパートが3PO、Bパートが2POで行われ、AパートのA級とBパートのほとんどの審判が2試合を担当した。Aパートの試合については担当2試合のうち、1試合を1級インストラクターもしくは次期S級の2級インストラクターが評価とポストゲームカンファレンスをし、もう1試合はクルーチーフを中心にミーティングを行った。Bパートは全ゲーム、CCによるポストゲームカンファレンスとなった。
2日目はすべてのゲームにインストラクターがつき、ポストゲームカンファレンスを行った。
照葉積水アリーナの会場では、福岡県の審判部が16台のiPadを準備して全ての試合を撮影してくれ、映像を振り返りながらのカンファレンスをすることができた。
担当ゲーム
3月23日 Cコート第3試合(女子1回戦)
熊本国府(熊本県1位)vs 佐世保南(長崎県2位)
相手審判
CC:佐田,U1:萩尾繁治(福岡県A級),U2:前田隼大(鹿児島県B級)
ミーティング内容
- クルーでアイコンタクトをとれ、概ねスムーズなゲーム運営ができた。
- Newリードとセンターも自然とアイコンタクトができ、フロントコートでのプレイに対する準備ができていた。
- 1Q、3Pショットの後、別の場所でリバウンドファウルが起こり、3PがカウントなのかどうかベンチやTO、観客にわかりづらかった。
- ルーズボールファウルを宣したときのディレクションをはっきり出す。
- 4Q、ジャンプボールシチュエーションで笛を鳴らしたが、0.1秒でタイマーを止めてしまったので、もっと早めに笛を鳴らせば1プレイ残すことができたので、タイミングを考える。
担当ゲーム
3月23日 Cコート第5試合(女子2回戦)
精華女子(福岡県1位)vs 熊本商業(熊本県2位)
相手審判
CC:隈元ゆみこ(鹿児島県A級),U1:佐田,U2:岡井元毅(佐賀県B級)
ミーティング内容
- 一方のチームのボールマンに対するスクリーンがほとんどリーガルではなかった。イリーガルスクリーンについて、吹き続けて選手に分からせたほうがいいという意見と負けているチームなので、「動くな」と声をかけ続けて吹かないほうがよかったという意見に分かれた。
- ハンドオフのプレイに対してのアングルの取り方を工夫する。OF,DF4人をしっかりととらえる。
- ショットクロックのブザーが鳴った後、アウトオブバウンズと勘違いされるようなタイミングで笛を鳴らさない。リングに当たらず、相手チームもコントロールできなかった場合はショットクロックバイオレーションをトレイルが成立させる。
担当ゲーム
3月24日 Aコート第3試合(女子決勝)
精華女子 vs 小林(宮崎県1位)
相手審判
CC:福岡敏徳(長崎県S級),U1:佐田,U2:山中萌衣(鹿児島県A級)
ミーティング内容
- ゲーム序盤にCCがテンポセッティングしたため、1Qでゲームが落ち着いた。
- リードのポジション、アングルが取れていないため、セカンダリでセンターから鳴らしてもらっているケースがある。1番のプライマリーが自分だと認識して、責任をもって判定する。
- 3or2の見方。トレイルがレベルを下げて、下から見る。足元とDFが見える位置まで動く。OFの背中から見る癖を改善する。
- プレイが進んだ時にTOが交代のブザーを鳴らしてしまった。CCが「続けて!」と言ってゲームを止めなかった。笛を鳴らしてプレイを止めたら交代させなければならないので、この場合、この対応でよかったのでは。経験の中から自分がCCだったらどのような対応ができたのか、引き出しを持っておく。
今大会に参加しての感想など
A,Bパートに分かれて実施する形態になって8回目となった今回は、ライジングゼファー福岡のホームこーとである照葉積水ハウスアリーナを使用できました。サブコートも含めてアリーナはとてもきれいで、最終日は多くの観客が集まる素晴らしい大会となりました。開催県の審判部がiPadを準備してくださり、ポストゲームカンファレンスでの利用や映像データの共有ができ、審判がとてもやりやすい環境を作っていただきました。審判会議ではインテグリティにも触れられ、選手、コーチ、審判、観客の4者によってゲームは作られること、全てが映像に残っていくことを確認されました。A級も評価によりランキングされるシビアな条件となりますが、インストラクターによるポストゲームカンファレンスは、自分自身のゲーム以外も非常に刺激的で勉強になり、ますます研鑽したいと思えるものでした。
女子決勝の割当をいただきましたが、自分がCCだったらスムーズにゲーム運営ができていただろうか、どんな対応をしていただろうかと考えると3POメカ、判定力、CCメンタリティ、コーチやプレイヤーとのコミュニケーションの取り方など、まだまだ力の柾を痛感しました。
また、福岡県のバスケットにかかわる人たちの多さ、他県のB級レフリーの3POメカの完成度、映像を使ってのプレ・ポストゲームカンファレンスなど、本県でも推進していかなくてはならないと感じています。
最後になりましたが、今回、私たちの審判環境を整えてくださった九州ブロック審判長の福岡様、山崎審判長をはじめとする福岡県審判部の皆様、運営してくださった福岡県協会や高体連の皆様、今大会に派遣してくださった大分県バスケットボール協会の皆様、御手洗審判長、審判委員会の皆様に心より感謝し、報告といたします。(報告者:佐田 明美)